真土型鋳造

・概要


・種類


概要

「真土型鋳造法まねがたちゅうぞうほう」とは、「真土まね」と呼ばれる砂を用いて鋳型を製作する鋳造技法です。

東アジアには、この技法によって製作されたと考えられる太古の金属器が、遺物として数多く残されています。

真土を用いて製作された鋳型は、注湯ちゅうとう(溶融した金属を鋳型に注ぎ込む工程)の後、内部の鋳物を取り出すために壊されます。そのため、基本的に再使用することはできず、一度の注湯ごとに新しい鋳型を製作する必要があります。こうして鋳型そのものが失われてしまうため、遺物として残る金属器のなかには、どのような鋳型が用いられ、その鋳型がどのように製作されたのかいまも明らかでないものが数多くあります。

「どのような鋳型によってこの遺物は製作されたのか」

一見すると、考古学や美術史、技術史に限られた専門的な問いにも思えます。しかし当工房は、この問いを日々の製作のなかで引き受け、考え続けることも、ものづくりの大切な一部だと考えています。

真土型鋳造法によってこれまで作られてきた金属器は、Out-of-place artifactsオーパーツ/場違いな人工物ではなく、いわばin-the-place artifacts/暮らしに根付いた人工物です。潰えかけた古の技法・技術をいまいちど製作のなかで検討・検証することは、翻って現代を生きる私たちにとって新しい、けれどかつて確かにあったはずの生活の心地よさ、滋味深い景色、彩りを再構築することにも通じるはずです。

種類

現代の真土型鋳造法は、鋳型の製作方法によって三種類の技法に大きく分類することができます。

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蠟型ろうがた鋳造法

蠟などの油脂を利用して原型を製作する技法。細かな装飾を施した鋳物の製作に適している。この技法では鋳型の製作工程のなかで蠟の原型が消失するので、同一の原型を用いての鋳型製作ができない。

込型こめがた鋳造法

特定の材質で作られた原型をもとに分割可能な鋳型を製作する技法。鋳型を分割して原型を鋳型内から取り出すことができるので、原型を再利用して新たな鋳型を製作できる。

惣型そうがた鋳造法

鉄瓶や梵鐘などの製作に使用される技法。鋳型を成形するための「挽板ひきいた」と呼ばれる板を回転させながら、真土を成形して鋳型を製作する。

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いずれの技法も、数種類の真土を用いて鋳型を作り焼成しょうせいする工程が含まれる点では共通しています。

なお、これらの呼称や分類は地域や年代、工房によって異なります。実際には、この三種類に収まらない鋳型製作技法や、複数の技法を組み合わせた例も国内外に数多く存在します。

ここでは詳細を省き、当工房の経験に基づく便宜的な分類として紹介しています。